本当の価値とは
世の中の多くの人は、実際に効果があるかどうかはさておき、
気分を上げる、ことにたくさんお金を使っています。
例えば、宝くじは“億万長者になれるかもという夢”を売っています。
ググれば公開されているとおり、
売上半分は公共事業に回されたり、運営費として取られていて、
当選金として分配されてるのは半分以下です。
しかし、多くの人が、夢があるということで気分が上がり、
終いには過去当選実績のある売り場の行列に数時間並び、
買った瞬間に価値が半分以下になるものを買い求めているのです。
でもいいんです、気分が上がる、のですから。
それを自称“分かっている人”が情弱だと馬鹿にしますが、
はたしてそうでしょうか。
ブランド品の大半は広告費です。
広告で認知度とイメージを上げ、購入した人の”気分”を上げることに多くのお金がかかっているのです。
しかし、ブランドが持つ人を幸せにしているという点で価値がある、
ということは疑いようのない事実でしょう。
自己啓発マーケットのように、
実際に効果がありそうに見えてじつは気分を上げるだけ、
のマーケットだというものもあります。
金持ちになるセミナーに行って実際金持ちになれるのなら、
世界中のみんな金持ちです。
しかし実際は、セミナーに行くことで、金持ちになる方法を頭で学んで、
金持ちになれそうな気分になって気持ちよくなっている、
というのが良いとこではないでしょうか。
いいんです、気分が上がる、のですから。
コスパという言葉がありますが、
これは 効果/コスト で計算されます。
そして、その効果というのは、現実的な効果だけでなく、
気分的な部分というのが多く含まれています。
モテる男は、実際の価値以上に、気分を高揚させる何かをプラスして、
異性からの価値評価を釣り上げることに長けています。
雰囲気イケメンなんてその通り。
気分の高揚だけをあおる広告、健康になった気になるサプリメント、
美人になった気になる写真加工アプリ、
これらも無価値ではないのです。
高級レストランでビール1杯1500円でもいいんです。
世の中は気分が上がることを求めているのですから。
そして気分だけがどんどん膨れ上がり、
現実的な価値が生まれていないことに気づき、
夢から覚めたように人々がさっと引いていくタイミングが周期的にきます。
バブルの崩壊です。
ここで大コケしないようにするには、
気分価値と実質価値を俯瞰的に見る目をつけておくことでしょう。
気分を上げる、こと自体は重要だと思います。
なぜなら人生は気分次第で決まるのですから。